私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~
もちろん見えるかどうかなんて分からない。星がどうこうなどという以前に、景色は全てうつろに滲んでいる。

私は空の一角を指差した。


「あれが夏子さんの星。ピカピカ元気なやつ」

「どれよ。いい加減なことを」

「あるの。見えるの、私には!」


私は次々と虚空を指差してゆく。


「あの青いのが私の子供。あっちの赤いのが春樹でしょ。それで……」


私は心のなかの自分の星をイメージしながら指をさまよわせる。


(私の星は……)


どんな星なのだろうか。

その指を夏子さんが握った。


「あんたの星はあの真っ白に輝いてるやつでしょ」

「白く……」

「真っすぐで、だまされやすくて、いつも損ばかりしてて……。でもだからこそ、真っ白でいられる綺麗な星」

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