晴れ時々@先生の妹【第1巻】
警察官の松本の部下の田中が息を切らせて手錠の鍵を届けにやって来た。
部下の田中は色白で細く背はひょろりと高いが警察官としてはいつも頼りがいがなく叱られてばかりで、自信喪失の日々を送っている。
そして、イケメンとは程遠い面持ちに加えて酷い草食系男子、女性を引っ張っていくタイプではない事は自覚をしているはずなのに、なぜか婚活パーティーに必死に参加をしようとする30代後半の田中、もちろん彼女はいない。
「…すみません。パトカーは全部出払っていて、自転車しか移動手段がなかったんですよ。手錠の鍵、持ってきましたよ~!」
いつものごとく、声に力が入らない話し方の部下の田中。
「ご苦労、田中くん!」
「じゃあ、僕は警察署に戻ります……」
「あぁ、ありがとう、助かったよ!」
部下の田中から手錠の鍵を受け取り、店員と女子高生の手錠を外しに向かう警察官の松本。