鈴の音が響く頃
ここは、なんだろう
まだ、祠に入って
1歩進んだだけなのに
中は岩の洞窟…
人一人立てる高さで
3人くらいが定員であろう広さだ
目の前には
左右一つずつ立てられた
背の高い
私の胸くらいの高さの蝋台に
ロウソクが点てられ
火が、静かに燃えている
そして、足場から1段上がった場所に
少し大きな神棚
その中に
赤ん坊位の大きさの、石が
赤い鈴のついたリボンに巻かれていた
見るからに、怪しい
そして何故か、
入ってきたはずの入り口が無い。
完全に密閉された
岩の空間
「これ、一体…」
入ったらわかる、って言われたけど
全くわからない
とにかく一番怪しいのは、
リボンに巻かれた
岩
不吉な、怪しい臭いが
プンプンするけど
「これを調べないと、進めそうにないな…」
そっと、リボンを剥がす
緩く巻かれていただけなので、
ほどくと岩の表面から
キラキラした宝石が見えた
「すごい…!」
それは、
岩の表面に埋め込まれており、
真ん中に丸い水晶
それを中心に星形を描くように
各頂点に雫型の窪みがある
窪みは3つあり、あと2つは宝石が埋め込まれていた
水晶の上の頂点に
赤い雫型の宝石
水晶の左横に紫の宝石
あとは何もなく、窪んでいるだけ
「この雫型のと同じやつをはめ込むのかな…」
辺りを見渡すけど、
それらしい宝石は見当たらない
「あとは、真ん中の…」
水晶を触った瞬間