鈴の音が響く頃

「だ、だって、呼ばれたの・・・!」

「またか!!!!」


はーっと、深いため息を吐く
私の親友、杏(あん)

背が私よりも少し低く、
髪は短めで、リボンでハーフアップにしている
・・・今は少し乱れているけど・・・
顔も女の子らしい
とても可愛い顔立ちだけど・・・

性格は、男勝り。


「もう、呼ばれてもついてっちゃダメ!!!
あぶない!!!怖い!!!」

「へ、平気だよ!今まで何度も呼ばれて、
ついてってるけど、へいきだもん!!」

「あのねぇ!!」

ぐにーっと、私の頬を引っ張る

「い、いはい(いたい)・・・」

「響古、あんたは、あたしの大事なモデルなの!!」

「そんな大げさな・・・」

「響古は分かってない!あんたは、うちの高校で一番美人だわ!」

「や、やめてよ~~」

「響古の、美しい栗色の、腰まである長い髪・・・
大きな瞳、白い肌、長い手足・・・!!!」

「やめてください・・・・」

「完璧だわ・・・完璧に、私のモデルにふさわしい・・・」



こうなると杏は手がつけられない

杏が趣味で作った洋服を私が着用して
それをブログでのっけた瞬間
大盛況。
それから、新しい洋服を作るごとに私がモデルとなり、
撮影している

もちろん、服だけじゃなく
私に対するコメントも山のように寄せられてるみたいで
でも私は、怖くて読めないけど。



「杏の服が可愛いだけだよ。」

「ばかだね。響古。お前が着なきゃ、意味がないの」

「??」

「さぁて、どうする?次のバスまで、あと3時間もあるよ」

「うう・・・」

「で、今は?

「今?」

「呼ばれてるの?」


今ー・・・


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