鈴の音が響く頃
「監視ってなに?!
やめよう!帰ろう!怖い!
帰ろう!!」
「とうとう、おかしくなっちゃった?」
「なってない!!!!!」
杏がムキになって叫ぶ
季節は、まだ秋になったばかり。
なのにこの山に吹く風は
とても冷たい
風に乗って髪が大きく靡いた
リーン
「また!」
「はへっ!?」
私は、山へ続く石の階段をかけ上る
「響古?!」
杏も私に着いてきている
鈴が、私を呼ぶ
なんだろう?
胸が、モヤモヤする
息を切らしながら
階段を上りきったとき
大きな鳥居と
その先に
岩の固まり…
祠のようなものが目に入った
「きょ…こ、はや…い」
ぜーはー言いながら
杏が私の横に並ぶ