鈴の音が響く頃
「なにここ…」
杏が絶句する
「いかにも、ド田舎にある曰く付きの怪しい場所だね…」
杏がきょろきょろしながら奥へ進む
「―――――!!!!!」
ガクリと、杏が地面に倒れる
「杏!!!!!!」
「くるし…」
地面に倒れ、胸を押さえ
すごく苦しそう
息も荒い
「ど、どうして?!なんで!!」
私は、なんともないのに
『その者には、資格がないからだ』
「!!!!!」
どこからともなく聞こえた声に
私は体を強ばらせる
「…誰?」
『この場所は、他者を拒み続けてきた
来るべき時まで』
声は話続ける
『これ故、資格の無いものは拒絶され、排除されてきた』
私は辺りを見回す
周りは、木と、大きな鳥居と、目の前に祠
そして高台にあるこの場所から
私たちが通ってきた道や、畑、家屋が下の方に見える
ただ、それだけ
声の主は見当たらない
「あなた、誰なの?!
杏に、危害を加えないで!!」
「響…古…?」
「杏、誰かが話しかけてくる」
「また…そんな…」
杏は相変わらず苦しそうに胸元を押さえ、呼吸が乱れている
このままじゃ危ない
「…私に、どうしてほしいの?」
これは、よく霊的能力のある人が使う、魔法の言葉
あちらの願いを叶え、
成仏してもらう
それしか、害に苦しめられてる人を救えない。
人間も、霊も
『…お前には、資格があるようだ』
冷たい風に乗って、
また声が聞こえる