鈴の音が響く頃

「鈴姫・・・」

聞いたことのない名前だ
もともと、日本史には詳しくないから、かもしれない


『鈴姫には、特別な力があった。その力を使い、他国から攻撃を防ぎ
まもり、村を豊かにしていった。
だが・・・・』

「だが?」

『・・・・』

声が、黙ってしまった

そしていつの間にか、祠の前に着いていた


近くで見ると、
幅5メートル
高さ2メートルほど

たまたまあった大きな岩をくり抜いて作ったような・・・



『この先に進めば、自ずと真実は見えるだろう。
そして選ばれる
そして、決めるだろう』



「何を?」



『行けば、分かる』



フワッと風が吹き
声が消され、聞こえなくなった




「いけば、わかる…」



ゆっくり、祠の入り口に向き合う


入り口から先は真っ暗で、なにも見えない


深い深い
闇の先に繋がっているみたいだ


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