恋がはじまるよ
 さらさらで、やわらかそうな少し長めの髪。

 やさしそうな、黒目がちの瞳。

 整った形の良い眉。

 すっと通った鼻筋。

 洸貴は、小さい頃から女の子と間違われるようなかわいい顔をしていたが、しばらく会わない間に、「かわいい」というよりは、「綺麗」という感じになっていた。

 しかも、ただ綺麗なだけでなく、何だか近寄りがたいような、そんなオーラに包まれていて。

「洸貴くん、いつの間に、あんなイケメンに、なったのかしら。アイドルとかにならないかって、スカウトされちゃいそうじゃない?」

 感嘆のため息まじりに、隣でそう呟いた母親に。

「うん。なんかカッコよすぎてヤバいよね」

「俺と本当に血が繋がっているのか疑うレベルの美形だな」

 結衣と父親も、揃って頷いた。

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