恋がはじまるよ
 洸貴とは、1年ぐらい前に、祖父母の家の玄関で、すれ違ったことがあった。

 洸貴は、高校に進学したことを報告に来ていたらしいが、結衣たちが着いたときには、ちょうど帰るところだった。

 そのとき、結衣は、一瞬、洸貴と目が合ったが、何も話すことができなかった。

 あんまり、久し振りに会ったから、なんとなく気恥ずかしくて、何を話せばいいのか解らなかったし。

 それに。

「お久し振りです」

 そんな風に、結衣たちに向かって挨拶した洸貴が、あまりにカッコよくなっていたから、びっくりして。

 ドキドキして、言葉が何も出てこなかったのだ。

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