恋がはじまるよ
「ごちそうさまでした」

 皿にスプーンを置いて、結衣が両手をあわせると、洸貴が顔を上げてこちらを見た。

「こーちゃん、お料理上手なんだね。毎日、お家でゴハン作ったらいいのに」

 勇気を出して結衣が話しかけると、洸貴は唇を小さく尖らせた。

「面倒くさい」

「でも、二人で交代で作れば……」

「面倒くさいって言ってるだろ」

「でも、外食とかコンビニのお弁当ばかりだったら、栄養が偏っちゃうよ」

「別にお前には、関係ないだろ」

 『お前には、関係ない』

 その言葉が、結衣の胸に突き刺さった。


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