AKANE
十七歳という若い彼は、医師見習いの気の弱い青年であった。
岩の陰に隠れ、周りに別の医療班員がいないか懸命に目を凝らして探す。しかし、皆どこへ行ってしまったのか、この近くには医療班員はフィルマン一人しか見当たらなかった。
空にはまるで凧のようにハングライダーの影が弧を描いている。
バリスタによる鋭い槍に貫かれた者が、次々と上空から落下し、そのうちの一人がどさりとフィルマンのすぐ目の前に転がった。
「ひっ」
落ちた衝撃でぐしゃりと折れ曲がったハングライダーの羽。男はごぶりとどす黒い血液を口から溢れさせると、絶命した。
男の胸には太い槍が貫通していた。
フィルマンは今頃になって気付いたのだ。どうしてこの辺りに味方の医療班の者がいないのかを。
(皆、退避したんだ・・・!)
どっと噴出す汗。よく考えてみれば、上空作戦は、上空から街を破壊して深刻なダメージを与えることを狙いとしたもの。今から火の海と化す場に味方の兵を地上に留めておく訳が無い。
「誰か・・・、いないのか・・・?」
だんだん弱々しくなる、誰か知らない仲間の呼び声。
フィルマンは落下物に怯えながら、仕方無く声の主の元へと向かった。
「い、医療班の者です・・・」
力の入らない声で、フィルマンは声の主に言った。
男は地面の窪みに身を隠しながら、座り込んでいた。
「ああ・・・、誰もいないのかと思った・・・。悪い、ちょっと傷を診てくれないか」
男の息は荒く、ひどく顔色も悪い。
岩の陰に隠れ、周りに別の医療班員がいないか懸命に目を凝らして探す。しかし、皆どこへ行ってしまったのか、この近くには医療班員はフィルマン一人しか見当たらなかった。
空にはまるで凧のようにハングライダーの影が弧を描いている。
バリスタによる鋭い槍に貫かれた者が、次々と上空から落下し、そのうちの一人がどさりとフィルマンのすぐ目の前に転がった。
「ひっ」
落ちた衝撃でぐしゃりと折れ曲がったハングライダーの羽。男はごぶりとどす黒い血液を口から溢れさせると、絶命した。
男の胸には太い槍が貫通していた。
フィルマンは今頃になって気付いたのだ。どうしてこの辺りに味方の医療班の者がいないのかを。
(皆、退避したんだ・・・!)
どっと噴出す汗。よく考えてみれば、上空作戦は、上空から街を破壊して深刻なダメージを与えることを狙いとしたもの。今から火の海と化す場に味方の兵を地上に留めておく訳が無い。
「誰か・・・、いないのか・・・?」
だんだん弱々しくなる、誰か知らない仲間の呼び声。
フィルマンは落下物に怯えながら、仕方無く声の主の元へと向かった。
「い、医療班の者です・・・」
力の入らない声で、フィルマンは声の主に言った。
男は地面の窪みに身を隠しながら、座り込んでいた。
「ああ・・・、誰もいないのかと思った・・・。悪い、ちょっと傷を診てくれないか」
男の息は荒く、ひどく顔色も悪い。