AKANE
朱音はもう自分のすべきことはわかっていた。スキュラを反転させ、自分の足で着地できる高さまで高度を落とさせると、ぎゅっとフェルデンの逞しい手を最後に握り締めた。フェルデンは何かを感じ取ったかのように、大きく目を見開いた。
「フェルデン! 行って!!」
飛び降りると同時に、朱音はファウストに向けて黒い煙を放った。
スキュラはフェルデンを乗せたまま再び空へ舞い上がると、勢いよく迫り来るとま大軍に方向転換した。
(クロウ・・・、まさか、君は・・・!)
手を握られた瞬間、フェルデンは信じられない思いで地上に舞い降りた少年王の美しい姿を返り見た。彼が首からさげていたチチルの香油の小瓶が僅かに覗いたのだ。フェルデンの中でのクロウへの疑問は確信に変わった。
迫りくる騎馬隊の勢いは止まることなく、尚も蹄を轟かせてこちらへ賭けてくる。
フェルデンはその思いを断ち切るかのように様騎馬隊の真上へとスキュラを素早く移動させていった。
しかし、内心では今直ぐにでも少年王の元へと舞い戻り、事の真偽を確かめたい思いでいっぱいだった。そして、こんな状況で無ければ、少年王の傍でともにファウスト討伐に加勢したいところだ。だが、この状況がそれを簡単には許してはくれまい。
「止まれ!! 指揮者は誰だ?!」
フェルデンは、スキュラに乗り、軍の頭上から投げ掛けた。
初めて飛竜を目にした者たちから、僅かに息を呑む音が聞こえてきたような気がしたが、フェルデンはまるで気にも止めなかった。
「我らはザルティスの神兵。創造主の元に集いし革命軍だ。そちらこそ何者だ」
馬を走らせることを止めないまま、赤と黒の塗りの施された甲(かぶと)を被った騎士が返答した。
「おれはサンタシ国ヴィクトル・フォン・ヴォルティーユ陛下に継いで即位した、新国王フェルデン・フォン・ヴォルティーユだ。もう一度言う、止まれ!」
「フェルデン! 行って!!」
飛び降りると同時に、朱音はファウストに向けて黒い煙を放った。
スキュラはフェルデンを乗せたまま再び空へ舞い上がると、勢いよく迫り来るとま大軍に方向転換した。
(クロウ・・・、まさか、君は・・・!)
手を握られた瞬間、フェルデンは信じられない思いで地上に舞い降りた少年王の美しい姿を返り見た。彼が首からさげていたチチルの香油の小瓶が僅かに覗いたのだ。フェルデンの中でのクロウへの疑問は確信に変わった。
迫りくる騎馬隊の勢いは止まることなく、尚も蹄を轟かせてこちらへ賭けてくる。
フェルデンはその思いを断ち切るかのように様騎馬隊の真上へとスキュラを素早く移動させていった。
しかし、内心では今直ぐにでも少年王の元へと舞い戻り、事の真偽を確かめたい思いでいっぱいだった。そして、こんな状況で無ければ、少年王の傍でともにファウスト討伐に加勢したいところだ。だが、この状況がそれを簡単には許してはくれまい。
「止まれ!! 指揮者は誰だ?!」
フェルデンは、スキュラに乗り、軍の頭上から投げ掛けた。
初めて飛竜を目にした者たちから、僅かに息を呑む音が聞こえてきたような気がしたが、フェルデンはまるで気にも止めなかった。
「我らはザルティスの神兵。創造主の元に集いし革命軍だ。そちらこそ何者だ」
馬を走らせることを止めないまま、赤と黒の塗りの施された甲(かぶと)を被った騎士が返答した。
「おれはサンタシ国ヴィクトル・フォン・ヴォルティーユ陛下に継いで即位した、新国王フェルデン・フォン・ヴォルティーユだ。もう一度言う、止まれ!」