AKANE
骨が砕けたのか、ルシファーは唇の端からたらりと血を流す。すぐに起き上がれないままの魔王に、クロウは容赦なく次の攻撃を加える。蛇の魂と重なったクロウは大蛇に変貌し、身動きの取れないルシファーの身体に巻き付き、締め上げる。メキメキミシミシと音と立て、ルシファーの身体の骨が次々に砕けていく。
ぐったりとして動かなくなったルシファーの身体から、ゆっくりと離れると、クロウは静かに元の姿に戻った。
「な・・・に・・・?」
「油断したな、クロウ」
死んだ筈のルシファーの手には、長く鋭いレイピアが握られていて、それはクロウの左胸を貫いていた。
地面に倒れているルシファーの身体は、おかしな方向に手足が捩れ、到底生きているとは考えられない程のダメージを受けているにも関わらず、全く痛みを感じた様子もなくルシファーはその口元に笑みさえ浮かべている。
ばたりと膝をついて倒れたクロウの前で、ルシファーはバキバキと音をさせながら、むくりと起き上がり、自らの手で折れた骨を元に戻してゆく。
「残念だな。既にこの肉体は死んでいる。たとえ首を刎ねられようと、わたしは痛くも痒くも無いのだよ」
クロウは愕然とした。
本当に、もうここまでかと覚悟を決めた。
(アカネ、すまない・・・。君との約束、守れなかったよ・・・)
「おい、化け物」
闘いに夢中になっていた為、すぐ背後に別の存在がいたことにルシファーは気付くことが出来なかったのだ。
ぐったりとして動かなくなったルシファーの身体から、ゆっくりと離れると、クロウは静かに元の姿に戻った。
「な・・・に・・・?」
「油断したな、クロウ」
死んだ筈のルシファーの手には、長く鋭いレイピアが握られていて、それはクロウの左胸を貫いていた。
地面に倒れているルシファーの身体は、おかしな方向に手足が捩れ、到底生きているとは考えられない程のダメージを受けているにも関わらず、全く痛みを感じた様子もなくルシファーはその口元に笑みさえ浮かべている。
ばたりと膝をついて倒れたクロウの前で、ルシファーはバキバキと音をさせながら、むくりと起き上がり、自らの手で折れた骨を元に戻してゆく。
「残念だな。既にこの肉体は死んでいる。たとえ首を刎ねられようと、わたしは痛くも痒くも無いのだよ」
クロウは愕然とした。
本当に、もうここまでかと覚悟を決めた。
(アカネ、すまない・・・。君との約束、守れなかったよ・・・)
「おい、化け物」
闘いに夢中になっていた為、すぐ背後に別の存在がいたことにルシファーは気付くことが出来なかったのだ。