AKANE

 だからこそ僕は決めた。彼女から奪った時間を返すことを。
 決して、僕らがしてきたことを償うことはできないけれど、せめて、アカネには笑っていて欲しい。
貴方に彼女を頼みたい。そして、今後のサンタシとゴーディアのことを。否、
このレイシア全てを・・・。

 僕が再び目覚めるときは、アカネの命が尽きるときとなるだろう。それまで、僕はもう少しの間眠りについていることにするよ。
 僕が目覚めるまでに、レイシアに真の平和を築き上げていて欲しい。
どうか、素晴らしき友人、賢王フェルデンにお願いしたい。
もう一人の僕、アカネをよろしく頼む。
                         貴方の友人 クロウ”

 
 読み終わった後、フェルデンの中で霧がかった視界が一気にはれたような気がした。全ての謎や出来事が、やっと一本に繋がったのだ。
 フェルデンは懸命に書き綴ったであろうクロウの手紙をぐっと胸に押し付けると、強く心の中で誓った。

(クロウ・・・、きっと約束しよう・・・!!) 






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