〇●ポーカーフェイス●〇

１階２階１０階とどんどん上がり、あっという間に最上階に着いた





静まり返る廊下






そんな廊下のじゅうたんを踏みしめながら心臓はバクバクいっている






俺はゆっくりそっと歩き、あの部屋の前で足を止め、大きく深呼吸をした





そして





ピンポーンと、チャイムを鳴らしてみる






静まり返る廊下、
もう一度押してみたが、応答はない




俺は肩の力を抜き、ため息をついた




いないか…と、思ったとき





「何か用かな？？」





と、後ろから声が聞こえた





肩がビクッとなり、後ろを振り返ると朝エレベーターですれ違った男が立っていた





「あ、あ、あの…俺「結愛のクラスメイト。知ってるよ。何か用かね？？私に？それとも結愛に？」」







挙動不審になって居る俺の言葉を掻き消し、落ち着いた低いトーンの声が響く







「あなたにです。急に押しかけてしまってしみません」





そう軽く会釈をすると男は微笑んだ





「まあ、ここではなんだし、部屋に入りたまえ。」




そう言ってドアを開け、部屋の中へと導いた





俺はゆっくり中に入り、朝と同じように広い部屋をきょろきょろと見渡した





そんな俺の様子を観察しながら男は面白そうに笑い、スーツのジャケットを脱ぎ、たばこに火をつけた