〇●ポーカーフェイス●〇
末永の香りがついているブレザーはまだ体温が残っていて暖かかった
「何で泣くの?」
「そりゃあんなことされたら泣くだろ…」
「別にあんな奴らに何されてもどうってことないわ。最初っからそういうやつってわかってるんだから」
「いじめはね、その内容よりもね…その相手によるの」
「どういうこと?」
そう私のほうに体を向けてきょとんとした顔を見せる
「どうでもいい奴らに水をかけられるのと…信じてた友達に水をかけられるのって内容は同じだけど全然違うでしょ?」
「なるほど…」
「最初っからそういう人間って思っておけば何も感じないのよ」
「なーるほどね!!ほかの人に深入りしないのは傷つくのが怖いから。そういうことか」
そんな末永の言葉に少し沈黙が流れ、私はまた息を吸い込んだ
「信じる価値のあるヒトなんて一人もいないだけ。傷つくのはちっともこわくないわ。何故かというと感情がないから」