マザーレスチルドレン

ゼンタイシュギシャ?

「ねぇーマァマァー、ユイちゃんちのバースデーケーキ


すっごくおいしかったねー」


リカが楽しそうにレイコに話しかけた。


レイコ達親子は、月のない夜道を三人並んで家路を急いでいた。


リカは今年十歳になった。


最近はすっかり生意気になって、何気ない会話をしてるつもりが


時々レイコを驚かせる事を言う。


「そうねえ、本当に美味しかったね」


リカの手を握りながらレイコが言った。


「リカ、また食べたいよぉー」


「ユージもたべたい!たべたい!」


弟のユウジがピョンピョンと跳ねながら叫ぶ。


ユウジは七歳。まだまだ幼い。


可愛いさかりである。


「はいはい、また来年ね、ユイちゃんのお誕生日に食べれるよ」


「えー、一年なんて待てないよー」


「ユージもまてないー、明日食べたい!」


「もう、二人ともわがまま言うんじゃありません!」
< 48 / 178 >

この作品をシェア

pagetop