マザーレスチルドレン
「あんたが常連なのはよく知ってるよ、


毎日見るからね、毎日酔っ払って、


この店の客はどいつもこいつも困ったもんだ…… 」


カジはすまなそうな様子で肩をすくめている。


「まあいいや、で、だいたいあのデブは何者?」


オオクボは店のほうを顎で示す。


「はあ、ヤマサキ先生ですか?」


「なに、先生なのあの人!」


オオクボが目を丸くする。

「医者なの?」


「いや……」


「弁護士?」


「じゃなくって……」


「はあ、じゃあ、学校の先生か」


「はずれ……」


「いい加減にしてくれ! 


あんたとクイズやってる暇はないんだよ! 全く」


オオクボは顔を真赤にしてカジを睨む。
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