マザーレスチルドレン
───悲しいよ、一人になるくらいなら


死んだほうがましだ。


僕は右手のナイフで自分の左足を刺した。


大腿部が焼けるように熱かった、そして鋭い痛みが襲ってきた。


「痛いよ、母さん、死んじゃうよ、助けて!」


でも母さんは振り向きもしない。


───聞こえてないの?どんどん離れていく。


追いかけないと、立ち上がった。


今度は立てた。左足から血がどろどろとふき出した。
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