ひとつの恋に出逢った。


「逸樹!出て行ってっていったじゃんかっ!」


「いやぁ、物好きの告白聞きたくって」

「てんめー!殺すっ」


ヴーヴー…


「うわっほぃ!」

姉の持っている携帯が震えた。

「静佳からメールだ…はぁ!?振られたから志緒くんとしかより戻した?バカだっ、志緒!」


姉は高速でなんかを返信して
僕を見た。

「志緒くんのメアドわかる?」
「わかるよ」

「教えてっ!」

メアドを教えるとカチカチと本文を打ち出した。

やっぱりこの人は志緒が心配らしい。

姉がメールしながらぐわぁとかぎぃやぁとか叫んでいるうちに僕は窓へ近付いた。


空を見上げると、月がぽかんと浮かんでた。

明日雨とかほんとかよ。


こんなきれいな月がでてるのに明日は真っ暗なんて信じらんねー。

つか分からねえ。


明日が雨とか
僕がBクラスとか
姉の恋愛嫌いとか
志緒がほんとに想う人とか


さっぱりわかんねー…。

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