ダブル
桜、その笑顔すっごくかわいいけど、すっごく恐い。


翔も同じことを思っているのか、顔が引きつっている。


と、その時、時計が21時を知らせる鐘を鳴らした。


桜「わ、もうこんな時間なんですね。私たちそろそろ帰ります。」


そう言いながら桜は翼を椅子から引きずり落とした。


翔「翼は俺が持って行くよ。」


ひょいっと桜から翼を奪い取り、玄関へ向かった。


桜「え、あ、翔さん?!いいですよ!私がちゃんと連れて帰りますから。」


桜が慌てて翔の後を追う。


翔「いいから。こいつ、何気に重いし。桜には無理だよ。それに、すぐ隣だし。気にするな。」



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