うしろ姿



「忘れたの?伶だよ、伶。」

「れ、い…?」

「逢いたかったよ、華耶。」

「伶ってイトコの伶!?なんで居るの!?」


長い間会っていなかった伶。

見ない間に顔も忘れてしまっていたんだ。



「華耶の彼氏になりたくて、学年、とび級したんだ。」


はぁぁぁ!?

何言ってんだ、このガキ。
学年とび級なんてどんだけ頭いいんだよ、そのDNA私も入ってるんだから、ちょっとは分けて欲しいですよ…。


「友達の親がここの理事長なんだ。」

「へ、へぇ…。」

「華耶、今彼氏いないでしょ?」


そういう質問をしないでくれるとありがたいんですが。

まぁ空気読まなくても、従兄弟だからねー。


「居ませんが、何か?」

「じゃ、今から俺の彼女ね。」



…はい――っ!?



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