いつか君を忘れるまで
「何かあったんスか?」

ひょっこり姿を現した手塚に驚いて、俺は一歩後退りをした。

「何でだ?」

俺は、誤魔化す様にレジ蓋をを閉めた。

「いや、何か良平さんの顔色が急に変わったんで、何かあったのかなあって思って。」

何故か、こう言う所だけ手塚は敏感だ。

「いや、何も無いよ。」

俺は、この状況から逃れる術を探した。

「さっきの子、聖ルチア女学院の制服でしたね。この辺じゃ有名なお嬢様学校ですよ。」

もう、姿が見えない自動ドアを眺めながら、手塚が言った。

お嬢様学校。
確かに、その立ち振る舞いからは、年齢不相応な落ち着きを感じた。

「・・・惚れちゃいました?さっきの子、可愛かったですもんね。」

無意識に自�
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