いつか君を忘れるまで
サオリさんに最初に出会ったのは、夜の繁華街。
キャバクラ嬢をしているのがバレ、当時付き合っていた彼氏に殴られたとかで、頬っぺたのアザが痛々しかったのを覚えている。
手当てをするのに、俺の部屋に誘ったのだ。

体の関係をもつのは、決まってサオリさんが恋愛で悩んでいる時。
いつも俺の部屋の前に座っている。
サオリさんがどこに住んでいるかも、連絡先も知らない。

きっと、『サオリ』と言う名前も本名では無いのだろう。

俺も、サオリさんも今以上の関係は望んでいない様な気がしていた。
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