いつか君を忘れるまで
ガバッと起き上がると、額に汗をかいているのが分かった。

どうやら、イヤな夢を見たらしい。

それもこれも、昼間にアイツに似た子を見たからだ。

「クソっ。」

小さく舌打ちをすると、枕元に置いてあったタバコを掴む。

窓際に腰掛け、そっとタバコに火をつけた。

窓を少し開けると、気持ちいい風が入って来て目を閉じる。

考えない様にすればする程考えてしまう。

俺は、どれだけアイツを忘れたつもりでもー。

どれだけ、アイツ以外の女を抱いてもー。

アイツの居無い街に来てもー。

ー忘れる事は出来無いのか。

俺は目を開けると、ゆっくりと膝を抱え込んだ。
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