天使のキス。
「は?
マジで?」


眉をひそめながら驚く健ちゃんの腕を、バシバシっと叩く。


「恋愛マスターなんでしょ?
なんとかしてよ」


「なんとかって…。
愛里、相変わらずキツイなぁ」


健ちゃんは両手をベンチの後ろについて、のけぞるように天井を見上げた。


その直後――…


「んじゃ、まず――…
名前は?」


健ちゃんは小さなため息をひとつついた後、気をとりなしたように、さっきしまったボールペンと手帳を取り出した。

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