天使のキス。
「あぁ、そう」


後ろから聞こえてくる五十嵐くんの声色はさっきと全く変わらず、あたしは二人が何の話をしているのか忘れそうになるほどだった。


それにしても…。


“あぁ、そう”…って。


まさか、それだけ?


彼女が妊娠したっていうのに。


責任の一旦は五十嵐くんにあるっていうのに。


2人の…ううん、3人の、これからの問題だってのに。


たった、それだけ!?


でも、耳をすましても、それ以上五十嵐くんが言葉を発する気配はなかった。
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