忘れモノ ー落としモノ番外編ー
数日たって
わたしはすごいことを聞いてしまった
できれば聞きたくなかったコト…
「夏七くんって、桃ちゃんのこと
今度は本気で好きらしいよ?」
久しぶりに会ったクラスの子に聞いた話。
なんだそりゃ!!!
「本気ってなんなのよ……」
もう信じられないよ
夏七くんがわたしのこと好きなんて
絶対信じられない。
「桃!!」
「あ―――」
反射的に逃げてしまった
わたしの名前をよんだのは夏七くんだったから。
「桃ッ…何で逃げんだよ」
さすが男の子
わたしなんかものの数秒で追いつかれてしまった
「別に…用事があったから」
はっとして夏七くんが言う
「あ、用事があるんならあとででいいんだ」
「じゃぁ、あとでにして」
夏七くんを振りほどいたわたしの行き先には
琉歌ちゃんの家があった