不器用な恋模様



お礼を言う高嶋に
カルピスを渡して隣の席に座った。


お礼なんて要らない。


だって
高嶋の為じゃないから……

たぶん、あれは



「あっ始まったよ!楽しみだね」


「そうだなっ」



――――俺自身の為。




「なぁ…高嶋って」


映画を見る高嶋を見て
改めて思う。


「……なぁに?」


「――綺麗だよな」


俺の言葉に
みるみる赤い顔をする高嶋。



「バ、バカ!!!
いきなり変なこと言わないで」



「……っ////
あ、わ……悪い悪い!」



自分の言ったことが
今やっと恥ずかしいことだと感じて俺も赤面した。





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