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「寒いの嫌いって知ってるでしょ!?」

「今日は私が防寒具を持っていますよ。使いますか?」

「何持ってんの…?」

「ブランケット、カイロもいくつかあります。」

「夏原はへーきじゃんか、寒いの。」

「意地っ張りなあなたがいつ来てもいいように持って来てたんですよ。
あなたはどうしようもない意地っ張りですから、おそらく防寒対策をしてこないだろうと思いましてね。」

「…っ…!」


見透かされてる!くっそー!なんなのこいつ!
ていうか意地っ張りって2回も言わなくていいじゃん!


「カイロはいくつ使いますか?あ、ブランケットをどうぞ。」

「ちょっと待てー!あんたが彼女いるかどうかをイエスノーで答えてくれればそれで…。」

「あなたはとても運がいいです。
今日の空はとても美しいし、星がよく見えます。
私が合わせましたので覗けばすぐに見えますよ。」

「…これ、あんたのなの?」

「ええ。そんなに高性能なものではありませんが、そこそこ使えます。」

「…ブランケット、借りる。」

「どうぞ。」


あたしはブランケットを肩にかけた。
…けど、上手くいかなくて左肩からずるりと落ちる。


「あ…。」

「私が持ちましょう。これで大丈夫ですか?」

「あ、どーも。」

「ですから、そこは『ありがとう』、です。」

「分かった分かった!ありがとう!」


…こういうところ、なんか母親みたいなうるささがあるよねー夏原って。


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