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「大丈夫…って何が?」

「だから…結婚って…大きいことでしょ?
私で…いいのかなって。いっ…今こんな話しても無駄っていうか、今するわけじゃないからってのもあるけど…。」


言葉がどんどんしどろもどろになっていく。
口から言葉を出す度に、なんか…奏人の表情が曇っていく。


「…かな…と…?」

「菜々子以外有り得ないよ。」

「え…?」

「だからそんな不安そうな顔しないでほしい。
不安な気持ち、もしかして募らせちゃってる…?」


奏人が私の顔を覗き込む。
そして小さく笑うと、そっと私を抱き寄せた。


「普段…こうして会えないし、触れられないから…不安にさせるよね。
でも、菜々子しか見えてない。菜々子しか…いらないから。」


私の身体を抱き寄せる腕が、優しくて強くて温かい。
なんだか泣きそうになって、私は奏人の胸に顔を埋めた。


「俺がこっちに戻って来て、2年くらいは二人で過ごしたいなって思ってる。今まで足りなかった二人の時間、たっぷり過ごしたくて。
…あ、結婚する前に同棲ってアリ派なんだけどね、俺は。
二人でどこかアパートとか借りて、一緒に生活したいなって。…どう?」

「…二人の時間…?」

「うん。実家だと両親がどっちもうるさいだろうし。あんまりゆっくりできそうにないからさ。」

「それは…ものすごく言えてる。」

「だろ?だから、二人の空間に二人しかいない、そんな生活してみたいんだ。」


〝二人の空間に二人だけ〟


夢みたいな…そして幸せな…〝未来〟


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