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「はぁー…早く、ずっとそばにいられる時間が来ないかなぁ…。」

「奏人も…不安?」

「え?」

「…離れてる、こと。」

「そりゃあね。菜々子可愛いし、本当にいい子だから。」


そう言いながら頭を撫でる奏人。
しかも「いい子いい子ー」とか言いながら。


「子ども扱いしないでっ!」

「はいはい、そこで怒らない。子ども扱いじゃなくて可愛がってんの。
大人しく撫でられてなさい。」


奏人の手が、優しく私の頭を撫で続ける。
そしてすっと、頬に手が添えられた。


「…奏人…?」

「…好きだよ。」

「っ…!」

「菜々子も…好き?」


子犬みたいな表情でそう訊ねる奏人。
…こんな表情に抗えるはず、ない。


「…好き…、大好き。」

「…良かった。」


私の視界が奏人でいっぱいになったその瞬間、唇に奏人の熱が伝わってきた。
唇が少し名残惜しそうに離れ、奏人の肩越しに見つめた空には、オリオン座がキラキラと輝いていた。


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