7 STARS
* * *


「すっごい混んでるー…。」

「…ま、しゃーねぇよ。ここ、縁結びだっけ?確かなんかで有名なんだろ?
周りもカップルまみれだし。」

「カップルで縁結びって意味分かんなくない?」

「その後も末長くってことだろ。
人間、一度願いが叶えば欲深くなるもんだ。」

「…晴輝も欲深いの?」

「末長く…を願う気持ちは、普通に分かる。」

「ふぅん…。」


…あ、あんまりにもストレートにそういうもんだから、こっちがびっくりしちゃう。
晴輝は、遠くに行くってあたしに告げてから、よりストレートになった。


「梨亜は?」

「え?」

「今年、何願うの?」

「えーっと、晴輝が高い指輪くれますように!」

「…んだよそれ…。
普通受験成功しますようにとかじゃね?」

「だーって、別にあたしが願わなくても自力で叶えるでしょ、そういう類の願いはさー。」

「ま、確かにな。」


そう言った晴輝の手が、すっと私の手を握った。
嬉しくて、そのまま握り返す。

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