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「…なーに自信なくしちゃってるの?いきなりヘンなのー!」

「ヘンってお前な…。」

「心配してくれるのありがたいけど、それってあたしが信用ないから?」

「そういうわけじゃない!」

「でしょ?っていうか離れていく側のくせにヘンに落ち込まないでよ。
あたしは我慢してるんだから!」

「え…。」

「今、一緒にいる時間を大切にしようって決めたの。
だからそーんな顔しないのっ!」


あたしは手を離して、晴輝の両頬を挟むようにぺちっと叩いた。
はっとしたような顔をして、晴輝があたしを見つめる。


「ど?目、少しは覚めた?」

「あ…ああ。…悪い。」

「別にいいけどねーっ。あ、あたしのお願い決ーまった!」

「え、何?」

「あとで教えてあげる。
ほらっ、行こう。」


一度離した手を、もう一度握る。
そしてお賽銭を入れ、手を合わせた。





…生まれて初めて、自分のことではないことを願う。





晴輝がずっと笑顔でいられる1年になりますように。

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