7 STARS
* * *


「で、何願ったの?」

「晴輝は?晴輝が教えてくれたら教える!」

「俺は…。」


初詣の帰り道。
…本当はもっと長居しようと思ったんだけど、あまりの混雑具合にあたしの方が先にへこたれた。


「…なぁにー?」


ちょっと可愛く首を傾げてみる。
…お、ちょっと効果あったのかも。晴輝がゆっくり口を開いた。


「…梨亜に寂しい想いをさせませんように。」

「ぷっ…ぷぷー!」

「なっ…なんだよ!笑うなっつーの!」

「だっ…だって!あたしも晴輝のこと願ったから!」

「え…?」

「バカみたいだね、あたしたち。
自分のこと願えばいいのに願わないで、相手のこと願うとか。」

「…梨亜、何願ったの?」

「晴輝のこと。」

「だから、内容。」


…少しだけ、躊躇う。
だって、あたしっぽくない願い…だから。


「…俺、言ったじゃん。教えてよ。」

「…笑わない?」

「笑わないよ。」





「…晴輝がずっと笑顔でいられる1年でありますように。」

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