大好きな君へ。
「杏里ー!朝よ!
降りてらっしゃい。」


いつものお母さんの声でフッと我にかえる。


いつの間に朝になったんだろうか。

とりあえず着替えて下へ降りて

食べたくもない朝食を少し口にいれて

早々と家をでた。


「いってきます」



ただひたすらぼーっと歩く。

誰かに声をかけられたような気がしたが耳に入らない。


「ーっな!」


ピタ。

足が 体が意識より早く反応した。


「美奈。」


このかすれた声は
この匂い、この雰囲気は

まぎれもなく あなた。








「‥‥淳平」

後ろを振り返って言った。
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