大好きな君へ。
明るい髪の色、

少し下を向きながら髪を触るしぐさ、

ずり落ちそうなぐらい下げたズボン、

踏み崩れた靴、




全く 変わっていなかった。


「‥おう。
久し振りだな。」


「そうだね。
じゃあまたね。」



杏里を迎えに行かなきゃ。
そう思いまた歩きだした。

「おいっ!待てよ!」

腕を掴まれた。

「痛いって!
もう私達なんの関係もないじゃん。
離して。」

睨みながら淳平を見た。


「‥話聞けよ。」


「俺、お前のこと好きだったんだぜ。
あの時もー‥まだお前が好きだった。」


ーあの時?

ああ。
私の家の前で話したときのことか。


「お前が俺のこと好きじゃないってわかってた。
だからゆりあに逃げた。
ー‥アイツは俺だけを見てくれてたから。

でもこんなことになるとは思わなかった。
お前がハブられるなんて思っても見なかった。
俺は‥‥「もう、いいよ。」


絶えきれなくなり言った。


「もう、解決したから。
淳平が悪いわけじゃない。
全部、私のせい。
辛かったよね?ごめんね。
私なんかを好きでいてくれてありがとう。」



ニコッと笑い、私はまた歩きだした。


「俺、お前の笑顔好きなんだ!
まだお前を諦めたわけじゃないからな!」


淳平‥‥。

私はまた振り返り淳平を見て微笑んで
杏里の家まで歩いていった。

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