その手で撫でて

想い

ゆっくりと鍵を開けてくれた藍ちゃんをみて俺は驚いた

藍ちゃんの目が真っ赤で
それと同時に、藍ちゃんの気持ちに気付いてしまった。


藍ちゃんは…俺の事…



俺は美紀の恋人。
俺は美紀が好きなんだ。

じゃぁなぜ今嬉しいと思ってしまったんだ?

俺はなぜ今、藍ちゃんを抱き締めたいと思ったんだ?


もぅ自分がなんだか分からなくなった。
急に悲しくなった。


なのに藍ちゃんは
今、一番辛いはずなのに藍ちゃんは


「野上さん、なんで悲しい顔をするの?ごめんなさい」


と震えた声で心配そうに俺を見つめた。
< 47 / 48 >

この作品をシェア

pagetop