群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
ガラス越しの彼女が

困ったような笑みになり



「私もそろそろ帰るね」


そう言い、席を立った。



「え…」


あ、ヤベッ声に出たっ!


けど………マジで?


真と大介が引き止めたけど彼女は眼鏡を直し



「社交辞令でも嬉しい」


「良い生徒さん達で良かった」


彼女は

俺の間に決定的な線を引き


立ち去った。




「いや〜!マジ、おーちゃんエロくていいっ!

先生うらやましいっ!!」


相変わらず鼻の下を伸ばている真。



俺は

彼女の背中を店を出るまで追っていた。



………



俺は

空になったグラスをカラカラ回す。




そんな俺に

大介はジュースを飲みながら


「彼女、僕の初恋の相手」



さらっと言い放つ。




俺は

声が出なかった。




「ナニナニ!?

大介、おーちゃんと知り合いだったのっ?」



真が興奮気味に大介ににじり寄る。



「幼馴染み。ハルも会ったことあるよね


…ね?ハル。」



大介は、俺の目を真っ直ぐ見る。



「……………」


「僕は彼女が結婚してても今でも変わらない。」



…いつもの大介じゃない。

「ね?ハルは変わったんでしょ」


「……………」


「諦めたんでしょ?」
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