トリップ少女
「その指輪と一緒に説明書が入っていただろう。」
「え?ってあぁ、このことね。」
若菜の足元に紙切れがひらりと落ちた。
「それを何度も呼んで頭に叩きいれろ。でないと痛い目をみるのはお前自身だからな。」
「わかったわよ。」
「なら僕はもう用済みだ。では健闘を祈る。」
「ちょっと待って!」
「何だ。」
「質問したいんだけど…いいかな?」
「仕方あるまい。良いぞ。」
「この指輪って高いの?」
「そんなことか。応。値をつけたら莫大な金額だろうな。驚くから見ないほうが良いと僕は思うが。」
「そうなの…あの、これあなたに返すってことは」
「できないぞ。それはしばらくお前のものだ。」
「しばらく?じゃぁいつかあなたに返すの?」
「それはお前しだいだな。」
アルスランはニヤッと意味深な笑みをこぼした。