トリップ少女
「カレン、違うわ。あなたの存在も私たちの世界も嘘じゃないわ。ちゃんと存在しているから大丈夫よ」
「ミラン…」
「ただ私たちの世界はあまりに美しすぎて、誰でも簡単に入ることが出来ないのよ。だから私たちの世界を“おとぎ話”としてしか知らない人間の方が多いわ」
「おとぎ話ってことは、本当はないって思われてるってこと?」
「大多数にはね。だって普通の人間は海の中で息を吸えないもの。だから海の底に人間の器官を持つものが生活しているなんて考えることも出来ない。私たちが動物の肉を食べる地上の人間を理解できないのと同じ」
「地上の人間って本当に毛の生えた動物を食べているの?“犬”とか“豚”ってあんなに可愛いのに」
「彼らは平然と食べているのよ。ね、そんな風に、住んでいるところ・生まれ育った環境によって認識は全く違うものなの。だからねカレン、私たちがこの世界は存在している、と信じていればそれで一向に構わないのよ。誰が何と言おうとね、」
そう言ってミランは若菜を睨みつけた
「ね」
早く同意しなさいよ、という無言の圧力が赤目からビンビン伝わってくる
「うん!!!」
若菜は力強く答えた
というより、答えるしかなかった