トリップ少女

汚れ役を私に押し付けた!!


あの赤狐目!!


若菜は心の中で精一杯の悪態をついた



カレンは王子から目を離すことが出来ないでいる



…でもこれ以上いても、つらくなるのはカレンだし



「カレン、今はもう帰りましょう。私たちはあなたを無事帰すことが一番なの。お願い。また必ず会いに来ましょう?」




若菜は本当に申し訳ない気持ちとカレンをこれ以上戸惑わせたくない気持ちとでいっぱいになった





「分かったわ。ありがとう若菜。私のことを思ってくれているのよね」



そういってカレンは一筋の涙を流してエメラルドを作った




そしてその澄み切ったグリーンの宝石を、荒波で壊れてしまったのだろうか、不恰好に石が取れた王子のブローチにはめ込んだ




カレンは後ろを向いては王子を見て、また背を向けてを繰り返して海へ帰って行った


若菜はただ背中を優しく押すことしかできなかった
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