トリップ少女
若菜は呼吸を整えた。
さっきからずっと予感していたことだ。
しかし聞いてはいけない気がしていた。
でも好奇心が許さなかった。
「この指輪の石とあなたの目がまったく同じ色…というかそのものに見えるのは気のせいですか。」
!!!
「ほほう、実に面白い見解だ。今までそのような質問をされたことはないからな。」
「目じゃないよね…?」
「さぁ、どうだろうな。何かあったら、僕の名を呼ぶと良い。僕か僕の仲間が対応しよう。」
帰ろうとして、アルスランは窓枠に足をかけて振り返った。
「それにしてもお前…僕が怖くないのか。」