ただ愛が欲しいだけ
だが、見つからない何故だ?すると先程の声が

「あんちゃん。わしは上にいる。」

俺は声のした方を見る。そこにはヒゲが生えた一人の老人がいた。年齢からいって80位だ。そんなことを考えていると老人は梯子を使い降りてくる。
すると……

「おじぃちゃん!」

と今度は女性の声になった。声の主の女性は駆け足で老人が乗っている梯子を押さえる。

「一人で梯子を使わないでくださいね?危ないですから」

俺はその女性を見るなり驚いた。何故?何故ってそんなの決まっている。

「「井上!(先輩!)」」

「なんじゃ。知り合いか」

何気に理解が早いご老人。恐るべしとでも言っておこうか。そう。こいつは俺の会社の後輩、井上鈴(いのうえりん)。成績は中の下くらいで冷静に物事を考えていない。よく振り回される(実は会社でモテる)。そんな井上は何故、こんなところに……。という疑問があった。

「なんで先輩がここに?」

疑問符を浮かべる井上の姿を見ながらクスッと笑う。そして俺はその疑問に答える。

「たまたま、本屋があったから入ってみた」

と答える。すると井上はにこやかにまた言葉をはく。

「じゃあ、お茶でも……」

「すまん。予定あるから」

「そ、そうですか」

しょぼんとする井上を見るなり俺は少しそっぽを向きながらフォローに回る

「また今度来るから、そん時な?」

「は、はい!」

と頬を赤らめながら笑う。その姿を見るなり少し自分らしくないことをしてしまった事に気付き。

「つーか、仕事しろよ」

「わっ」

俺は井上の頭を撫でてドアの前まで来たら振り返り一言

「分かったな?」

「はい(*・ω・*)」

俺は店から出て駅に向かう。

「彼氏か?」

「ち、違うよ!」

とまだ顔を赤くしている井上は小さく呟く。




















































「好きで憧れの先輩。」
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