月夜の太陽
「アマンダさんの事を反対されたのは、アマンダさんのお父様の件があるからですか?」

『そうです。私はそんな事気にしないんですが、今の父はそうもいかないようです』

「世間体という事ですか?」



私の質問に苦笑いで返すロナウド。


この部屋に来てからロナウドは微妙な表情ばかり。


私が遠慮なしに聞いてしまっているからだけど。



「お父様は、私との事は何とおっしゃっているんですか?」

『もうお分かりでしょう?毎日上機嫌ですよ』



それはそうだろう。


私たちが結婚すれば、後にロナウドはこの国の国王になる。


普通であればリオがなるはずだけど、このままいけばリオはディアナと結婚するはず。


ディアナはセリアル叔父様とアイシャ小母様の一人娘で、婿を取らなければ国を担う者がいなくなってしまうから。



「ロナウド…ごめんなさい……」

『何故謝るのですか?』

「何も知らないのに、酷い態度をたくさんとってしまったもの……」

『ルナは何も悪くないです。それに、事情を話したところで私がルナに酷いことをしている事には変わりないのですから』



どっちみち私はソルから離れなければいけなかった。


だから、一概にもロナウドを責めることはできないし、今後のことを考えれば本当のロナウドを知れてよかったと思う。





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