月夜の太陽
シエル様は何故かエレナのことをマジマジと見ている。


エレナも気付いている様で顔を真っ赤にしている。


シエル様みたいに綺麗な男に見られれば女はみんな頬を赤く染めるだろう。



『突然失礼かもしれないが、どこかでお会いしたことがあるかな?』

「あのッッえとっ…は、はい!!」



更に顔を赤くして、エレナはポケットからいつも持ち歩いてる薔薇の花びらを閉じ込めた手作りのストラップを取り出した。



「シエル様とローズ様の結婚式でローズ様が投げた薔薇の花びらです!!私の宝物なんですっっ」

『あの時の小さなレディーかい?』

「は、はいっ!!」



シエル様は見た目によらず口調が優しくて驚いた。


ローズ様は不安になったりしないんだろうか。



「あの時の女の子なの!?気がつかなかったわ!!とっても素敵な人と出会えたのね」

「はい、愛する人と出会えてとても幸せです。これからもっともっと幸せになります」

「きっとなれるわよ。フィズはとっても素敵な男性ですもの」



今度はローズ様の言葉に兄貴が顔を少し赤く染めていた。


純血のバンパイアは混血にはとうてい身に着けることが出来ないほどの美貌を兼ね備えている。


美貌だけではない、力でも到底敵わない。





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