月夜の太陽
お店に入ってから、結構時間が経つのに一向にお客さんは減る気配がない。


確かに料理は美味しいし、リリアさんの人柄もいいからか常連さんも多いみたいだもんな。


それに、フィズさんは可愛さとかっこよさを兼ね備えていて、ソルさんは帽子から覗く顔を見る限り綺麗な顔をしているからか、2人目当ての女性客も多い。


フィズさんはさっきからちょこちょこ女性客に話しかけられてるし。



「エレナは嫌じゃないの?」

「何が?」

「ああいうの」



私が指差すほうを見るとエレナは笑って私の顔を見る。



「今は平気。昔はヤキモチばっかり妬いちゃって、いっぱいフィズを困らせたけどね」

「どうして今は大丈夫なの?」

「信じてるから。フィズとの絆を」

「素敵だね」



目に見えないものを信じられるエレナは、私にはない強さを持ってるんだろうなって思った。


お父様とお母様もいつもお互いを信じあってる。





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