月夜の太陽
*****



カタカタと音がする。


癒されるような花のいい香りに誘われるように目を開けると、使用人の格好をした女が驚いた顔をして俺を見ていた。


話しかけようとしたが上手く言葉が出てこなくて、結局喋れないまま使用人は慌てて部屋を出て行ってしまった。


体が鉛の様に重くてだるい。


頭上に窓があるらしく、オレンジ色の夕日が差し込んでいる。


少し眩しかったが何故か酷く落ち着いた。


静かな空間の中目を閉じ自分が今生きていることを確認するようにゆっくりと息を吐いたり吸ったりしているとドアが勢いよく開き、ローズ様を先頭にリオや使用人が部屋に入ってきた。



「ソルッッ」

『ローズ様………』



涙を目に溜めたローズ様が優しく抱きしめてくれた。


嬉しかったが抱きしめてくれているのがルナじゃないことを寂しく思っている自分がいた。


だが部屋中を見渡すがルナの姿がない。






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