月夜の太陽
ローズ様と目が合うと、俺の不思議そうな表情を見て困ったような表情を浮かべた。


俺の寝ているベッドに腰掛けると、ローズ様は落ち着いた穏やかな声で話を始めた。



「部屋の直ぐ外にアリアが……貴方の母親がいるわ」

『…………』

「会ってもいいと思っているなら彼女を連れてくるし、そうでないのなら別の部屋でゆっくりしてもらうけれど……どうする?」



今までは別に会わなくてもいいと思っていた。


だけど、いざ直ぐ近くにいると言われるとまるで子供が母親を求めるような気持ちが芽生えた。


この年になってまでそんな感情が芽生えるとは思ってもみなかった。


ローズ様に支えられながら俺は体を起こし、ベッドに腰掛けた。



『ここに呼んで下さい』

「えぇ」



笑顔で立ち上がったローズ様は廊下へと姿を消し、落ち着かせるように彼女と話をしていた。


心臓が煩いほど暴れていて、俺も緊張しているんだなと思った。


戦いの時とはまた違った緊張感で掌が汗ばんできていた。





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