月夜の太陽
アリアさんはベッドに腰掛けやんわりと微笑むと俺の手をそっと握った。


こうして過ごすのも今回限りだ。



『ビリー様は無事ですか』

『あぁ、お前のお陰でちゃんと生きてる』



いつの間にか傍まで来ていたシエル様は椅子に腰掛けながら疑問に答えてくれた。


だけど答えに納得できずに聞き返した。



『生きているということは無事だと思っていいんですか』

『生きてはいるが、心をなくしてしまったかのように言葉も話さなければ表情一つ変えない』

『……そうですか』

「そんなに辛そうな顔しないで。妹はビリーが生きて帰ってきてくれたと涙ながらに喜んでいたし、今がどんな状況だろうと出逢った頃のビリーに戻ってくれると希望を持ってる。毎日凄く幸せそうに過ごしてるわ」



元々殺そうとしていた相手ではあるが、正直ショックは隠せなかった。


ただ、1人でも幸せを感じてくれる人がいてくれるという事実は、少しだけ俺の心を救ってくれた。



『まだ話は出来るか?目を覚ましたばかりでまだ体が辛いだろう、日を改めるか?』

『いえ、大丈夫です』





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